民族音楽

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民族音楽

民族音楽(みんぞくおんがく)とは、民族土着の音楽、またはそこから発展した音楽のことである。

音楽は、(マンダ教徒などを除けば)、およそあらゆる民族が持っているものであって、人間の文化には不可欠かどうかはともかく、あらゆる文化圏に於いて、それなりの音楽が存在するといってよい。 クラシック音楽やポピュラー音楽などのいわゆる西洋音楽もヨーロッパの各民族に端を発することなどからすると、厳密な意味ではあらゆる音楽は民族音楽から発展したものであり、民族音楽であるという議論もあるが、現代の西洋音楽に民族性は希薄であり、その意味でこれを民族音楽と呼ぶことには無理がある。

だが、ここでいう民族という語はethnicという英語に集約されるように、自分たちの作り上げた近代文明国家に対しての他者という意味での民族である。それは植民地主義全盛の19世紀に盛んに行われた、植民地研究の産物である。ethnic-groupとしての民族の音楽という意味での民族音楽は nationalという語の示す民族という意味は多分に含まないが、しかし日本語において民族という語がもつ響きは、明らかにその両者の意味を併せ持っている。

東南アジア諸国などの例からもわかるように、ある民族国家が創生したことによってnational-musicが創り出されることがあり、ゆえにこの語には多義性があるということを承知すべきである。

また民族音楽という語は、民族音楽という音楽があたかもそこに普遍的な存在として「在る」という誤認を生んでしまうが、実際にはそのようなものはないということは自明のことである。確かに西洋芸術音楽という音楽は民族性が希薄であるということは認められようが、それはその音楽が普遍的な存在と見做されるべく、近代化=西洋化という図式の下に散布したという、その思想性のほうが重要であるということは知っておくべきだろう。音楽は普遍の概念で、国境をも越えるというような価値観の中で言われる『音楽』は西洋音楽に限られるべきなのかどうかは今後の課題である。


また、歴史的にはヨーロッパから見て他民族の音楽を民族音楽と呼んできた経緯がある。ただし、ヨーロッパにおいても、アイルランド民謡のイーリアンパイプの演奏などのように、特にヨーロッパ外縁部において、地域ごとに西洋音楽とは相違する独特の音楽を保っていることがあり、それらは民俗音楽と呼ばれる。また、伝統的な民族の音楽を指す場合と、西洋音楽と融合した音楽、さらには民族的な商業音楽を指す場合とがある。

「民族音楽」という言葉の中には、日本で言うならば民謡などを指す「民俗音楽(Volks Music)」と、雅楽、能、三味線音楽などの伝統的古典音楽などが、差別化されずにまとめられてしまっている。完全な差別化は無理であるとはいえ、その違いがまったく無視されて使われているという点において、非常に大きな問題を抱えている(ワールドミュージックを参照)。

これはヨーロッパの学者達が「比較音楽学」という学問を発祥したことに、そもそもの間違いがあった。このことは現在の学会でも、全ての研究者が見解の一致を見せている。

民族音楽. (2007, 3月 18). Wikipedia, . Retrieved 06:47, 9月 20, 2007 from http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%B0%91%E6%97%8F%E9%9F%B3%E6%A5%BD&oldid=11330122.